3/03/2012

桜混じりヒスノイズ

最近はずっと誕生日に貰った念願のゲーム機(PSP)で遊んでいる。
ペルソナ3というゲームをやっていて、これは学園生活を送る主人公がある日特別な力を手に入れて夜な夜な闇の敵と戦うようになる、というありがちな設定のRPG?だ。
敵と戦う以外、昼間は普通に学園生活を送っていて、クラスメイトと仲間と恋に落ちたり、知らない誰かとであったりと日々誰かとの繋がりがあって非常に面白い。

ゲームとは言え、クラスメイトが自分を信頼して段々と深い相談をしてくれたり、何度か一緒に帰っていくうちに自分のことを意識しだす異性の仲間など、もっともっとこの人を知りたい、という現実の人間関係の如くグイグイ引き込まれる。一緒に戦う仲間が自分を気遣う発言をしたり、「俺達はさ」と言って仲間であることを意識させてきたりして、ああコイツラ仲良くていいなあと思う。

こういう(学園生活疑似体験的な)ゲームをしているとやっぱり、あああ青春っていいなあ!としみじみ思う。
自分の学生生活が充実していなかったわけではないがやっぱり、こういう日々も送ってみたかった。


でもやっぱり学生生活がすべて終わってしまって思うのは、もう特別な力を持って戦うことも、誰も知らない世界と現実を行き来する可能性も無くなってしまったんだなあということ。
『とある魔術の禁書目録』だとか、『フルメタルパニック!』みたいな。
そういった物語はいつだって高校生くらいまでが「主人公」で、幼さをバネにしたような正義感だとか強さだとかを持っていて、それでいて思春期特有の脆さがあって、一人では戦えない弱さがあって、仲間となら何でも倒せる無敵さがある。(少年漫画の王道だ)
あの頃はもしかしたら明日、って思う可能性としての楽しみが、空想があったけれど。
今はもう何にもなれないんだなあってちょっと寂しく思う。
もう遅すぎるのだ。

毎日が楽しくないわけじゃないけど、平凡に安心するようになって、何もかも捨ててどこかへ旅立つこともできなくなって、それが(現実に生きる)幸せだって分かっているけれど、やっぱり何処にも何にもなれなくて、自分は現実に生きていたんだなあと実感してしまって悲しい。
もっと世界を救う生き方の選択肢があってもよかったんじゃないだろうか。

ゲーム機の中で選択肢を選んで、キャラクタと会話して、ダンジョンを走る主人公を見ながら、もう大人になってしまったんだなあとぼんやり思う。




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